週末に見た夢

2016年8月28日 ポエム

薄暗い森の道、枯れた小川の中を歩く、左右は胸ほどの高さまでブロックで舗装されている
歩くにつれて森の暗さに不安が募り、唐突に誰かの悪意を感じる

すると突然、足元から大量の芋虫が這い出してくる
茶色く地味で、覚めている時に見れば何てことないんだろうけど、夢の中でそいつは、凄まじく気持ち悪い芋虫として自分には写った
耳に粘りつく水音、パニック状態になった私は追い立てられるように左のブロックにしがみつく

そうすると、一匹だけが私を追いかけて足元のブロックに跳ねた
触るのも嫌なくらい気持ち悪かったので、私は不安定な状態で頑張って足を引っ込めた

そうするとそいつは、捏ねられているパン生地みたいに体を左右に激しく回転させはじめた
気持ち悪いのに怖いから目を離せず、気持ち悪い模様と多足が交互にちらつく

その時、不意に誰かの囁き声が聞こえた
「◯◯町には行くな」
町の名前は知っている物だったけど覚めたのと同時に忘れてしまった、確か漢字二文字で四音だった気がする、そんな名前どこにでもあるけど

ゴロゴロ回る芋虫と叫ぶ自分の口が交互に視界に入り、その時、これが夢だと気づく
気持ち悪いから早く目覚めたかったけど、目覚められない、ひとまず夢だと気付いたので恐慌は収まったけど、夢から覚められない不快感があった

私を見て、誰かが笑った気配がした


唐突に夢が変わった、完全な白と黒、2色だけの世界
テクノポップって言うのかな?SFC時代のBGMみたいな電子音源で作られたそういう音楽が流れていた

真っ白な道、さっきとは逆に道が盛り上がって田んぼの畦道のようになっている
左右は先程の、気持ち悪かった芋虫の海、防波堤に打ち付ける波のように道に激しくぶつかって個体を跳ね散らしている

なるほど、僕が気持ち悪がっていたから調子に乗って山盛りにしたんだな、けれどこれだけ多いと怖いも何も無くて単なる泥水と同じだね
なんて事を考えていると、悪意を持った誰かがなんとなく滑稽で可愛らしい者に思えてきて、同時に大量の雀が飛来して跳ね跳んでいる芋虫を啄みはじめた

白い道、黒い海、白い空、黒い鳥の群れ、そんな夢を歩いていると、遠くのあちこちから炎が吹き上がった
色数の少ないドット絵で、BGMと同じく昔のゲームみたいな炎、次第に自分の近くでも火柱が

すると道の向こうから、氷を纏った輪入道が、車輪をプロペラのように回転させて、顔をまっすぐこちらに向けて…
正確には、道の後ろ向こうに向けて、10体以上が一列に並んで飛行して凄い速さで突っ込んできて、僕の頭上すぐを通り過ぎていった
風を切る轟音、冷気等は感じない

その後、白と黒に赤い炎が混じって賑やかになった道を何事も無く暫く歩いた


どこかで夢が変わった
厚紙で作った昭和風の町の模型、全体的に古びた飴色がかっている、町のがやがやとした喧騒のようなBGM、何故か醤油の匂い
それをとても小さなカメラで模型の人の目線で見ている

模型の人やバイクは細長い厚紙に書かれて、左から右へ流れ、次は右から左へ流れ、という風に横に何列にも重なって町を満たして行進していた
私は小さなカメラみたいな視点で、何かのゲームのミニゲームみたいにタイミングを合わせて隙間を通って町を進んでいた
少しヨタヨタと進んで、突然要領が掴めたので急速に半分以上まで進んだ
けれどそれまで規則的に動いていた列が斜めに進んだりカーブを描いたり、はては物理的に無理なのに列同士で交差したりして進めずにじわじわと押し戻される

それまで何の意志も感じなかったゲームに、その時初めて悪意のようなものを感じた、こちらの反応を見るんじゃなくて純粋に進ませないようにする意志
最初に聴こえた囁き声「◯◯町には行くな」がもう一度

突然音楽が明るいものに変わって、「裏道を通過できます!」、みたいな内容のテロップが…うまく言えないけど、視界の外、見えるけど表示されない場所に出た
そうすると、奥から斜め後ろに伸びている建物の列にぴったり張り付いて流れていた人の列が外側斜めに傾いて
そこに出来た隙間をそれまでにない速さで町の最奥まで一気に突き進み、模型の外枠を乗り越えてそのまま正面にある磨りガラスの戸を引いた


そこは民家のような廊下で、間接照明を強く使っているのか、電灯が無いのに明るいけれど、暗い印象を受ける場所でした
暗い漆喰の壁、黒ずんだ柱に梁、全く外が見えない磨りガラスの戸や窓
私はそこを歩いていて、前後にも何人かが続いています
私達の足音以外には無音で、なのに童歌のようなものが聴こえていました

誰かの囁く声、女性だったような気がするけれど私の声だったかもしれません
「ここの住民に敵対しては駄目」と、その言葉だけはしっかり覚えてます
そう言われて、ふと思いました、それまでの夢と違って、ここを作っているのは私の脳では無いのでは、と

廊下を右に曲がると大きな部屋の端に出ました
すぐ左側は壁、右に大きな空間、天井は見通せないほど高かった気がします

左の壁の下には赤子や女性の日本人形(もしかしてリアルドールかな?)その全てが歪んでいました、手足が長かったり、何本もあったり、複数体で融合していたり
そういうものはそれなりに慣れてるけど、慣れてない人が見たら相当精神的にきつかったと思います、出来がとてもとても良かったので

右の空間と私達の順路には膝ほどの高さの木製の柵があり、入るなと主張していました
その先はひな壇になっていて、そこには着物を着た何かがいました(ありました)、何かはよくわかりません、目に入れても着物しか認識できなかったので

何があるのか理解しようとしてガン見したら世界が変わりました
突然、着物とか何かとかが沢山のモニターに変わり、今まで私が見た色々な、アニメとか映画とかそういうものが軽快なクラブハウス的な音楽と共に映っていました
どれも私が知っている物なので、「ああ、この夢は私が作っているんだな」とわかりました
木の柵とか、背後の人形とか、そういうものは残っている気がしましたが、モニターからのカラフルな光が強すぎてよくわからなくなっています

そうして、気付いたら目が覚めていました
なんだかとても良くできた夢だったので、ひとまず文章にして残します
その「よくできてる感」が伝わればいいなと思います

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